統合失調症
統合失調症
統合失調症では、幻覚や幻聴、妄想、興奮などの激しい症状のほかに、意欲の低下や感情の起伏の喪失、ひきこもりなど、様々な精神症状を呈します。 若い人に多く、患者さんの約8割は、15~30歳の間に発症すると言われます。 統合失調症の代表的な症状には「陽性症状」と「陰性症状」、および「認知機能障害」があります。
統合失調症の症状
統合失調症の症状は多彩なため、全体を理解するのが難しいのですが、主な症状には次のようなものがあります。
- 幻聴-実際にない声が聞こえてくる
- 妄想-実際にあり得ないことを信じる
- 思路障害-考えが混乱してくる
- 感情の変化がみられる
- 周囲には理解できない行動をとる
その他に、ストレスに弱い、対人関係が苦手、一度にたくさんのことができない、集中力・持続力が続かなくなる、生活リズムが乱れるなどの症状が現れる場合があります。
統合失調症の原因
統合失調症の原因は、今のところ明らかではありませんが、進学・就職・独立・結婚などの人生の進路における変化などが、発症の要因となることが多いようです。 ただ、それらは発症のきっかけではあっても、原因ではないと考えられています。
というのは、こうした人生の転機はほかの人には起こらないような特別な出来事ではなく、同じような経験をする大部分の人は発症に至らないからです。
統合失調症の治療法
統合失調症の治療の柱は、薬物療法と精神科リハビリテーションです。
薬物療法
薬物療法の中心になるのが抗精神病薬(統合失調症などの精神病の治療薬)で、陽性症状にかなり効果的です。そのほかにも症状に応じて、睡眠薬や抗不安薬、気分安定薬などを使うことがあります。
精神科リハビリテーション
陰性症状や認知機能障害を大幅に改善する薬がまだ開発されていないこともあり、薬物療法と精神科リハビリテーションは、統合失調症における治療の二本柱になっています。
精神科リハビリテーションには、病気の知識やストレス対処法を学ぶ心理教育、人間関係を円滑にする練習を行うSST(社会生活技能訓練)、記憶力や集中力などをつけるための認知機能リハビリテーションなど、様々な方法が知られています。